
大矢祥一
6月の誕生石ってどんな石?

女性の象徴「ムーンストーン」
ムーンストーンは、優しく大きな愛情をはぐくみ、女性性を高め、愛する人との恋愛の成就、さらには幸福な家庭へと導く効果があるといわれています。
恋人のプレゼントにも最適なパワーストーンです。
「予言と透視の石」とも呼ばれ、未来への予知能力をもたらし、大切な人の危険を察知して、避ける手助けをするといいます。
青白い輝き(シラー)が一番の魅力ですが、乳白色から透明感の高いものまで様々なものが販売されています。
中でも、ほぼ透明の石にブルーのシラーがしっかり見られるものは「ロイヤルブルームーンストーン」という名前で親しまれています。
大変希少な点と、美しさも相まって、パワーストーンの中でも屈指の人気を誇ります。
現在、ブルームーンストーンは流通名となっており、正式な鉱物名は「ペリステライト」と言います。
ペリステライトはムーンストーン(月長石)と同じ「長石」の一種です。
本来、ブルームーンストーンと定義されていた石は、スリランカで産出された青いシラーが見られるムーンストーンだったのですが、こちらは既に閉山して産出されなくなった為、ペリステライトがブルームーンストーンとして注目され始めたのです。
ブルームーンストーンも、ムーンストーンと同様の意味が伝えられています。
ムーンストーンはその名の通り、古くから「月の力が宿る石」と信じられていました。
「恋人たちの石」や「愛を伝える石」として知られており、縁のある男性と女性を引き寄せてくれると言われています。
またこの優しい光は相手を「思いやる心」を育んでくれると信じられ、パートナーを思いやることで、円満な関係が続くように願うお守りとしても人気です。
スリランカは、世界的にも有名なムーンストーンの産地でした。
ブルームーンストーンを初めとする美しいムーンストーンが産出されていましたが、それらの主要な産地は1980年代に採掘が停止されてしまいました。
それ以降もいくつかの地域で、「スリランカのムーンストーン」に近い美しさを持った石が見つかっていますが、それらはラブラドライトの変種や、ペリステライトに区分されます。
ブルームーンストーンには、「パートナーと円満な関係になれるように」という意味が込められていますので、ご両親や新婚さんへのプレゼントにされるのがおすすめです。
ムーンストーンは、紀元前1世紀頃から人々に知られていたとされ、プリニウスの『博物誌』やアルベルトゥスの『鉱物書』の中では『この石(ムーンストーン)は、月の満ち欠けに従いその形も大きくなったり小さくなったりする』と記述されています。
その神秘的な名が示すように、世界各地で月のパワーを秘めた石として崇められ大切にされてきました。
現在の『ムーンストーン』という名で呼ばれ始めたのは、1600年代からだといわれています。
その語源は、ギリシャ語で月という意味の『セレニテス』。
先ほど述べたように、『月の満ち欠けに従い、その形も大きくなったり小さくなったりする』ことから名づけられました。
夢のような話ですが、これは真実と考えられています。
現在ある電灯などの強い光がない時代、弱い月の光でこの石を見ると、本当にそのように感じられるそうです。
昔の人々は、この不思議な現象に驚いていたのでしょう。
そのような伝承から古代インドでは"聖なる石"として聖職者が身につけたり、豊穣を祈って農具につけたりなど大切に扱われてきたようです。
また、ヨーロッパでは『旅人の石』として、旅に出かける際は安全を祈願して、この石を身につけたといわれています。
ムーンストーンは、古くから神秘的な月とのかかわりが深く、そのエネルギーを宿した石とされ、多くの人々に愛されてきたパワーストーンといえるでしょう。